カリフォルニアの日系の子どもたちとの日々 その5

私は休みの日ともなると、漢字のフラッシュカード作りに余念がありませんでした。
そして、作ったばかりのカードを持って教室に行ったときのことです。
「アーサー、これは?」と一人の子どもを指すと、クラスの子どもたちは笑って、
「先生、発音が変だよ。Arthurだよ」と言いました。
そっか、【r】と【th】サウンドは難しいんだよね...
アーサーというのは、お父さんがアメリカ人でお母さんが日本人の子どもです。
日本語も多少話せますが、いつも大人しくてニコニコ笑っています。
私が日本式の下手な発音で名前を呼んでも、ちゃんと「ハイ!」と手を挙げて元気よく返事をしてくれるのです。
「Arthur、Arthur、どう、これで?直った?」
「無理しなくても良いよ」
「じゃあ、アーサー、これは?」と【朝】と書かれたカードを見せました。
子どもたちは「それ、Arthurの漢字だ。先生の発音のアーサーで良いんだよ、Arthur!がんばれ」
「あーさー」
「そう。よく読めたね」
その日からこのカードがArthur専用のカードになったことは、言うまでもありません。